もつレル ― エンタングルメント ―
リヴァース・モードの生還篇（９）
警告！ ここから先は１８禁！
例によってご案内申し上げます。
本気のえろを書こうとしました。
一応本気でいろいろやってます上に非合意の陵辱です。１７歳以下の方と純情な方はブ
ラウザバックしてください！
１
ローマ行きの特急の車内は怪しい雰囲気に包まれていた。しかし、ポンペイで死闘を演
じ、やっとやっとでこの列車に逃げ込むように乗ったブチャラティの……今は「護衛チー
ム」と呼ぶのがふさわしいだろうか、トリッシュを交えた一行は、ひとときの休息を得て
いた。
「アバッキオ達を休ませてやろう。ソファは譲ってやってくれ。ナランチャ、ミスタ、い
いな？」
言われるまでもない、と、名を呼ばれたものたちは黙って笑って見せた。トリッシュも、
まだ心を鎧（よろ）っているなりにかぶりを振ってそれを認めた。
「済まないね」
短く言って、自分で自分の左手を切断するという荒技をやってのけた美女はソファの端
に身を預けた。たったひとり鏡の世界に閉じこめられ、容赦ない殴打を浴びたフーゴが反
対の端を取った。真ん中に、それでも左右に余裕を十分取って、致死性の高いフーゴのス
タンドのウィルスに自らのスタンドで生み出した生物から採ったワクチンを打って無力化
するという離れ業をやってのけたジョルノが腰を掛けた。一同は、体力を回復させるため
に、静かにひとときを過ごした……。
異変に気付いたのはナランチャ。卓上のバナナが妙にはやく萎びている、自分の読書の
興味が渋くなっている、指が恐ろしく皺寄って骨が弱くなり、顔にも加齢の兆しが克明に
刻まれている！
「なんだぁぁぁぁ！？」
敵スタンド能力者により、恐るべき加齢のガスが、列車の中に無差別に撒かれていると
ジョルノは推測して見せた。
ミスタが能力者に対処する任務を受けて、亀から出て行った。もともとダメィジが小さ
く、眼を覚ましていて意識のしっかりしていたジョルノに皆を預けて、ブチャラティも出
て行った。
ナランチャの看護のため、と、多少はガスの侵入が遅くなるかもと理由を付けて、ジョ
ルノはトリッシュとナランチャをクローゼットの中に押し込んだ。十分な広さがあったの
は幸いだった。
振り向くと、ジョルノの眼前にはあられもない姿をした怪我人が呻いていた。
その怪我人の方から事情を説明すると。
ブチャラティの能力は、ジッパーを付けた面を支配することだ。切り開くこともできる
し、つなぐことも可能だ。生体にもそれは応用でき、「繋いだ」面は、恐るべき生体エネ
ルギーの作用で細胞が活性化され、融合を成し遂げてしまう。傷口なら、時間さえ掛けれ
ば元通りになる。
彼女の身に、「それ」は起きていた。
切断された皮膚から骨繊維、筋繊維、血管や神経繊維に至るまで、細胞が驚異的な速さ
で分裂・増殖して元通り繋いでゆく。大量の出血を補うために、造血細胞がフル活動して
赤血球を造り続ける。精神の失調をカヴァーしようとアドレナリンが大量に血中に排出さ
れる……！
それに応じた、発熱、発汗。
アバッキオは今、混濁した意識の中で、それをぼんやりと感じていた。
……暑い……この広さでも若いのが６人もいたら暑くも感じるか……。
……汗もかいて……身体、拭いた方がいいかな。
ソファに身をもたせかけたまま、アバッキオは片腕でごそごそと動き始めていた。
……着替え、持ってくる間もなかったけど、まあ、拭いたら多少はサッパリするだろうし
……ローマで降りたら、トリッシュもいることし、なにか着替え調達しよう……。トリッ
シュも下着ぐらい換えたいだろう、可哀相に。
背中に手を回して、ぼやけた意識のままにジッパーを下ろそうとする。が、左手がうま
く動かないためにそれは中絶する。
……あれ？
背中の真ん中の、一番手の届きにくいところで、それは止ってしまった！
いつもなら、左手でたぐり寄せながら巧みに上げ下ろしができているのに、今日はそれ
ができない。それが、混濁した意識の中ではうまく理解できなくて、もどかしい動きが彼
女を絡め取っていく。
……ああ、もういいか。ここまで開けば頭は抜けるだろ。
途中で無駄な動きを止めて、下からまくり上げるようにコートドレスを脱ぐことにして
しまった。無謀。意識がちゃんとしていれば彼女はそんなことをしはしない。それだけ彼
女は失調していて、そして、……亀の中の体感温度と不快指数は上がっていた。
……やばい、かな？
身体を反転させて、ソファの座面に頭を押しつけるようにしながら、右腕一本で長いコー
トドレスを脱ごうと試みたアバッキオは、今やにっちもさっちもいかなくなって、のたうっ
ていた。いつも無駄に長いとあげつらわれていたドレスは、今や、彼女の上半身を拘束す
る黒い布の枷となってしまっている。
……前開けて前から脱げば良かったかな？
今更に、前あきの革紐を緩めてみようと試みるが、それは虚しかった。
……まあいいわ。背中が開いたら多少涼しくなった。フーゴが眼を覚ましたら悔しいけ
どほどいて貰おう。あのコなら口はギャアギャア言うけど悪さはしないし。
アバッキオは真に疲労で理性が曇っていたようだ。右腕一本で複雑な動きをして疲労も
極まっていたことだし。
そのまま、意識を手放した。
そして、彼女はジョルノの存在を全く忘れてしまっていた。
２
そうして、今や、その彼女にとって眼中に入っていない生意気な新入りの双眸の前に、
引き締まったヒップは突き出されていた。
……こ、れは……。
一瞬魂を飛ばした感じになって、ジョルノは苦笑した。そして、右腕だけで悪戦苦闘し
た彼女の密かな苦労を思いやった。
……一声掛けてくれれば、ジッパーぐらいいくらでも下ろしてあげたのに、アバッキオ
先輩。
女のそれを手伝うのはかれには慣れたことだった。
長い黒い服は、さらにソファの背の凝った装飾にも引っかかってしまっていたらしい。
近づいてしげしげ見ると、彼女の両腕はしっかりとソファに絡みとられてしまっていた。
……壮観ですね。
黒いぴったりしたタイツの下に、うっすらとショーツが透けて見える。インナーは着け
ておらず、ブラジャーさえしていない白い背は、ウエストから上の素肌を見せている。しっ
かりと張ったヒップから、引き締まったウエストへの線が続き、小さな脊髄の山脈の連な
りが規則正しく上下しながら、絡めとられた上半身に繋がっている。肩胛骨の下辺りで、
魅力的な露出は絡み合った布の下に消えた。
ふと、興味に負けてかれはそれに手を当てて滑らせてみた。
艶やかな白い肌。僅かに汗ばんでいる。
アバッキオは完全に意識を夢の世界に遊ばせているようだ。なんの反応も見せなかった。
ジョルノはふと、ソファの反対側に身を寄せているもう１人の怪我人の先輩チーム・メ
イトに眼をやった。フーゴは眼を閉じて、体力の回復に努めている。軽い寝息が聞こえた。
ジョルノはまたその指を滑らせる。脇をたどって、身体の下側に。今は見えなくなって
いる、彼女の身体の前面で魅力を誇示し続けている２つの丘を、探るように両の手をあて
がって行った。
「ふうッ……」
ふいに、彼女は反応した。身を震わせる。ふと手を止めるジョルノだったが、消耗しきっ
ているのだろう、アバッキオはそれ以上意識を目覚めさせることはなかった。
ジョルノは琥珀の目を細めた。
大小を単純に問うのなら、それはもちろん大きい方だろう。はたちの、みずみずしさも
極まった乳房。老化のガスの威力は、まだここには及んでいない。鍛え上げた筋肉が、年
齢なりの脂肪を見事に支えている。引力に連れて少し下垂して集まって、両手に余るほど
のヴォリュームを今、見せている。
１５の、ギャングに入り立ての少年は、それを無言のうちに弄ぼうとしていた！
亀の外では恐るべき老化のガスが撒かれ、チーム・メイトたちは暗殺を生業とするスタン
ド能力者たちと死闘を繰り広げているはずである。そのただ中で、かれは、初対面の時に
自分を辱めて以来、なにかと突っかかってくる美貌の先輩の肉体を、自由にするチャンス
を得たのであった。
３
今やジョルノはぴったりとアバッキオの身体に身を寄せて、その身体を味わうことに夢
中だった。真っ白な肉の塊を、思うままに捏ね回す。小さなその頂を、指の間に挟んで摘
み、強弱を付けて刺激を加え、尖らせてゆく。
「あん……よせ……」
想像以上に甘い声が返ってしまって、かれは戸惑った。
「だめだ、ブチャラ……ティ」
夢の中に意識を遊ばせる美女は、恋人の愛撫と誤認したようだった。尻を艶めかしくく
ねらせて、逃れようと身をよじった。
ジョルノの嗜虐心に、火が点いた。
利き腕が背をすっとなで下ろして、タイツに覆われた臀部に到ると、ぴしゃりとそれを
平手で打った。
「あうん」
相手を誤認したままのアバッキオは、応じる声もまだ甘い。
ぐりぐりと両脚の合わせ目を指で責めて、その中心が湿っていることを確認する。
「いやらしい身体をして」
ブチャラティに心を捧げたようなことを言っていて。それでも、他人に身体をいじられ
れば簡単に反応して、濡らしてしまう。
……女なんて、こんなもの。
享楽的な生活を好み、スリルの名の下に吸血鬼の側に侍り、その子を産み落とした。母
となっても生活を改めず、再婚相手の我が子への虐待を見逃し、果てには遊び友達に幼い
我が子を自由にさせて面白がった！ 母親に限らない。かれの周りの女達は、年齢を問わ
ず、かれが自分の目に、肉体に、快楽を与える存在であることにしか意味を見いだしてい
ない！
女性一般に対する不信と蔑みが、ジョルノの心の根底にはある。
……このひとを、征服するッ！
八つ当たりのような気持ちがこみ上げて、ジョルノは更なる陵辱に取りかかる。
そうだ、自分はこのチームからギャングの組織に入り込んで、組織を乗っ取るのだ、恐
るべきギャングスタになる。その手始めに、誰にもなめられない男にならねばならないッ！
たとえそれがチームの先輩、リーダーの恋人であってもッ！
タイツをショーツごと剥きおろして、ジョルノはその部分に容赦なく指を突き入れた。
「やッ」
びくぅ、と背をのけぞらせて、アバッキオは覚醒した。
……ちょっとッ！ ブチャラティッ、今はこんなことしてる場合じゃッ……え？
目の前にアバッキオのスタンドが現われて、意識を飛ばしてきてジョルノは面食らった。
自分以外のスタンド能力者との交流がなかったジョルノは、スタンドで会話ができると
いうことを知らなかった。
アバッキオの方も、自分に「いたずら」を仕掛けてきている相手が恋人以外であること
は想定外だったようで、一瞬事態を把握するのに時間が掛かった。
修羅場を踏んだ経験の多さが、彼に味方した。
ジョルノはさらに指をうごめかせて、内部から女を支配することにした。
「あうんッ……ちょ、やッ」
羞恥と屈辱で、アバッキオが押し負けた。内股に、なすすべもなく身をよじる。
……スタンドで会話ってできるんですね。
そして、恐るべき少年はもうスタンドの新しい能力を使いこなしていた。
……ジョルノッ！ なにやってるんだッ、離せッ！
アバッキオは周囲を気にして、スタンドで応じる。
……お静かに。フーゴが眼を覚ましてしまいます。
その意図を理解して、静かにジョルノは牽制した。指は彼女を責め立てながら。
……ナランチャとトリッシュだって……いるだろ……ブチャラティはどうした……ん、
ふぅ。
……どうですか？ 今なら指２本も余裕でしょう。
今ぼくらは敵の攻撃を受けています。トリッシュとナランチャにはクローゼットに
ってて貰いました。まあ、大きな音なら聞こえるでしょうけどね。
かさにかかって、くちくちとわざと音を立てて彼女の「中」をかき混ぜてみせる。
……あ、あ、あ……やめ……。
掻き回される指がもうあからさまな音を立てている。水音を！ いりぐちを浅くかき混
ぜながら、たまに戻って、溢れた蜜を塗りつけて女の中心を擦りあげる！
……ひっ……！
なんてことを……ブチャラティッ！ ブチャラティはどうした！？
……敵をやっつけにミスタと出て行きました。助けを呼んで無駄です。
そう言っておいて、ずぷう、と指を無情に突き入れた。そのままに、奥に見つけたポイン
トを細かく震動させて刺激し続ける。
……いあっ！ ……あ、あ、よせ……。
必死に身をよじるアバッキオは、両手がドレスごとソファに絡まってしまっているのを
痛感させられている。
……先輩、だめでしょ、こんな誘ってるようなカッコして見せたら。なにせぼくは生意
気で思い上がったクソガキなんですから。
……ジョルノ、てめえ……。
……苛めたくなっちゃうでしょ？
ぴったりと身を寄せたジョルノは、自分の身体の中心が欲情している様子を身体で理解
（わか）らせた。
……おいッ！ やめろッ！ フーゴッ！ 止めさせろッ！
スタンドの発する声が悲痛になってきた。指に伝わってくる胎内の反応はしかし愉しげ
で、柔らかな襞がさまざまに絡みついて官能的にジョルノを刺激した。ここを訪れるべき
真につがいとなる器官のことも、きっと愉しませてくれるだろう……。ジョルノは期待に
頬を緩める。
……フーゴは意識がないようですね。
どうします？ 指だけで良いですか？ もっとヨくしてあげましょうか？ ほら？
この辺とか。
アバッキオはスタンドを消した。自分の反応の全てを抑えこむつもりのようだった。
それでも、じっとりと背は汗に湿り、白い肌はばら色に上気してしまっている。堪えき
れない官能の極まりが、時折放電のように身を震わせる。
……これは、……いい。
ご機嫌で、ジョルノは美しい獲物をいたぶって愉しんだ。
４
……もっと聴かせてくださいよ。あ、もうちょっと後ろかな？
ジョルノの指が、神経の集まった辺りをくじった。
「……ッ！」
とうとう、かるく達したようだ。口元に絡んだ布を噛みしめて、それでも殺しきれなかっ
た吐息が、それを示した。同じ一瞬、全身の筋肉の硬直に連動した恐るべき秘肉の収縮が
あり、ジョルノは指にそれを受けた。
……顔が見えないのも残念ですね。
驕慢なさまを見せているいつものあの顔は、今、どのように乱れているか、官能を必死
に押し殺しているのか、屈辱に歪んでいるのか、混乱に、背徳に戦（おのの）いているの
か。ジョルノは想像で補うことにした。実際の顔は、老化のガスを受けて皺を刻んでいる
かも知れない、それを今見てしまうのは艶消しだから。
ジッパーを下ろし、凶器を取り出す。微かな音がアバッキオにも聞こえたらしい。甘い
脱力から、死にものぐるいの抵抗があった。
「フーゴッ！」
大きくソファが軋んで、アバッキオは真剣に救いを求めて声帯で声を発した。が、ダメィ
ジの大きかったフーゴは、深い眠りに落ちているようだった。
絶望が呼気と共に漏れて、刺し貫かれた一瞬、アバッキオは動きを止めた。
押し上げられた高原状態で、女の身体は与えられる全ての刺激に官能の門戸を開いてし
まっている。突かれても、抜き出されても、全てがプラスの刺激に結びつく。理性はかき
乱され、打ち砕かれて敗北してしまっている。ジョルノの若いが使い込まれた凶器に、貫
かれ、こね回されて身体の内奥の襞の全てが歓喜に震えていることがどうにも否定できな
い。自分の理性とか矜持とかが、肉の悦び、官能の刺激に負けてしまっているのを目の辺
りにさせられている敗北感、それさえも、煌めく万華鏡を目の前に見させられるような極
上の快楽には、霞んでしまっている。ブチャラティへの、やっと育ってきた感情が根こそ
ぎにされてしまいそうな罪悪感は、このさき拭いようもないだろう。比べてはいけない、
あのひとの、日だまりのようなやさしい愛撫と……。そういう思考さえ吹き飛ばされて散
り散りにさせられて。
「や、やぁ、やあああ……」
ただ楽器のように、責められるままにそのポイントに応じた音色をたててしまう。伴奏
のように、打ち合わされる身体のつなぎ目は淫らな音を立てていて。
「どんな気分です？ 恋人は命がけで闘っているのに、仲間の目と耳の先で気に入らない
新入りの小僧に気持よくさせて貰っているというのは？」
低い声で、ジョルノは責め立てる。アバッキオの腰を抱いて、深く身体を繋げながら。
「いや、いやああ」
スタンドを出す精神力も失い果てて、ただ、アバッキオは啼（な）いている。
「いやじゃないでしょ？」
ぎゅううッと乳首を締め上げて、ジョルノはアバッキオの身体の奥の奥まで極め尽す気
でいる。二度と自分に逆らう気を起こさせないように。年上の女を支配することなど、か
れには慣れた遊びだ。
「ふぅうーッ！」
アバッキオの身体が、また硬直し、弛緩した。この局面では、意識を手放すことが救い
であるかも知れない。しかし、ジョルノはそれを許さない。身体をねじらせ、乳房に噛み
痕を残すほどに噛みついて、彼女の意識をすぐに呼び戻した。
ジョルノは道具扱いに、アバッキオの身体を繋がったまま半回転させて腹を上にさせた。
ぎゅううっと胸を掴みしめる。
「また逝きましたね？ 今度はその顔を、拝ませて貰いましょうか。泣き顔でも、喘ぎ顔
でも、見ないのはもったいない」
顔に絡んだドレスの布を、引きはがそうとした。
このまま理性を失って、辱めの限りを受け、人形のように弄ばれるままになることをア
バッキオの最後の理性は恐れたようだ。ここで力を振り絞って逃げようとした。ソファの
座面に足をかけ、身体をねじり、絡まったドレスを引きちぎってなんとか亀の外に逃れ出
ようとする。
「ああ、締まるッ……」
身体を自分に深く繋ぎ止めて、ジョルノは欲望の発射態勢をとる。自分の身体の内側か
ら、アバッキオはそれを知る。
「だめぇーーッ」
ジョルノが極まって手の力が緩む。その隙に、アバッキオはとうとう亀の外に逃れ出た。
ドレスはほとんど破れ、タイツはショーツごと半脱ぎで、おまけに、男のものを浴びた
姿で。
明らかに陵辱を受けたそのままの姿で、哀れな美女は安堵のうちに気を失った。
５
ちょうどその直後のタイミングでブチャラティがアバッキオを発見した。
「許せねえーッ！ 野郎、ここまで下種（げす）だったとはッ」
敵を屠って皆の元に戻ってきたブチャラティは、恋人を襲った犯人が「釣り竿のスタン
ドの男」と決めつけて怒っている。
「ヤったのは誰なんだ？ ねーちゃん、言えよ、ミスタさんが蜂の巣にしてやんぜ」
ミスタも瀕死なりに怒りを露わにして見せた。
「フーゴなんで気ぃつかねーんだよ！」
クローゼットで看護を受けていた身だったのを、ナランチャは悔しがって相棒に八つ当
たりする。
「……済みません、まさかアバッキオが亀を出ていたとは思わなくて」
フーゴは微妙な顔で、それでもショックを受けて小さくなっていた。
「……暑くなってきたから、ちょっと、身体を拭こうと思って外へ出たんだよ……誰も来
やしないと思って。油断した……スタンド能力者で、自由を奪われて……ごめん」
アバッキオはそう言って言葉を濁した。
「ムーディで再現しろよ！ まだいるのかも知れねえぜ、あぶねーよ！」
ナランチャはいきり立った。
「ちょっと！ その場面を再生して仲間に見せろだなんて、正気！？」
トリッシュが女性の身から反対した。
「出ないんだ、まだ……もういいよ。そんな、知ってるだろ？ 今まででも結構あったし、
今はそんなの関わってられる時じゃないし」
アバッキオはそう言ってごまかした。
「ひどい話ですね……暗殺チームのスタンド能力者ってクズばかりですね」
ジョルノはしれしれと言ってのけた。
……おまえが言うか！？
スタンドの出ない筈のアバッキオはジョルノにスタンドで会話を試みる。
……庇ってくれるってコトは、ヨかったってことですか？ また啼かせて欲しい？
せ、ん、ぱ、い。
ジョルノは思い切り脚を踏まれたが、ほんの少し眉を顰めるだけにしてみせた。
……ちょっと、なにやってるんですかあんた、この大事なときに！ なんでぼくを呼ば
ないんです！
フーゴとアバッキオは内緒話。
……あんた、見てたんなら止めなさいよ！ ……あんたらがあんまり子供子供してるか
らついジョルノのこともなめてたわ。甘かった。あいつはなんかヤバイわ。
……夢かと思ったんですよ！ まさかあの場ではじめるひとがいるとは思わなくて！
すいません、たしかにかれはぼくらの認識を超えてます……。
以後、うっかりスケベ心に負けて一部始終を見守ってしまった後ろめたさもあり、フー
ゴはアバッキオを１人にしないように密かに気遣った。
護衛チームの旅はまだ始まったばかり……。
２９−０９−１２
蛇足。
そもそもの自分のジョル・アバブームの発端の拘束陵辱を結局書かないのはなんとも残
念ということで、１からシチュエーションを練り直して書いてみました。ねーちゃんがあ
のコートドレスを下からめくって脱ごうとして絡まって助けてー状態ならいいんじゃ？
と思って、場所を例のフィレンツェ行き特急に変えて書き始めました。
フーゴが横で気付いてて息を殺して見てる……（こっちもエロ少年！）のはいいけど、
ナランチャもトリッシュもいたじゃんその時！ どうするよ？ ということで勝手にクロー
ゼット行きにしました。いやそんな広くないって。濡れ衣を着せられたペッシにはごめん
なさい。そしてフーゴはジョルノがねーちゃんをそういう目で見ていたのを知っているこ
とに。そして後の三角関係に至るわけやね。
寝取られ幹部が可哀相だ。こんなジョルノのために命を賭けて（落涙）。
このあとエロ少年のジョルノがアバッキオ先輩に手を出すシチュエーション的余裕は……
サルディニア島にうん百キロ泳いでたどり着いた海岸でまたしても疲労で脱力状態の先輩
を襲うってのはどうだい？（幹部が可哀相だからやめたげてー！）
それで、ギャラリーありのプレイになってしまいましたが、本当に目の前にいたら、ジョ
ルノ様そこはふつーに誘います。そんで、それぞれの反応。
ブチャ本人はないとして。いくらなんでも。
ミスタさん。
一番ノリノリで煽ることは煽る。そりゃもうゴキゲンで。しかし、自分も参加とか挿入
までは絶対しない。いろいろ言い訳して断る。ギャングに入るきっかけもあって、この男
にとって寄ってたかって抑えつけてまでの性行為は美学に反する。
ジョルノ様はその辺あっさりしていて深追いしない。そうですか、と流して続ける（続
けるんかい！）
ナランチャ。
真剣に怯えて泣いて嫌がる。だめだよジョルノ、そういうのやっちゃいけないよ、とお
ろおろ止めに入る。ナランチャは自分が少年院時代に経験がある（捏造設定）のと、母と
死に別れて女性に夢を持っているので強姦はやるのも見るのも嫌。
さすがにジョルノ様は水を差されて中断。
真打ちフーゴ。
思いっきり嫌悪感をあらわにして口ではギャアギャアいうが、むっつりなのでジョルノ
様の持って行きようではついつい参加してしまう。後でもう死ぬほど自己嫌悪して、そこ
もまたジョルノ様のいいおもちゃにされる。
……やっぱりフーゴはジョルノ様のベスト・パートナー！（おい！）
おまけで彼らの性対象観を書いとくと、
ブチャラティ ： 男も女もない。人間にはいいやつもわるいやつもいるし、どんな
やつにも善いときと悪いときがある。それをうまく見極めて泳ぎ渡るのが生き残るコツと
思っている。基本、お人好しのノーマルで恋人には優しくしたいほう。別に男と性行為を
持つのも時と場合による。
ミスタさん ： 女はみんな不二子ちゃん♪ 裏切られたりスルーされたりすることも
あるけどいっちょ前の男ならそれ込みで対応して人生楽しまないとねー♪ 男と寝るなん
て正気の沙汰じゃない。
ナランチャ ： 母親に死に別れているので女性に夢を持っている。自分から女性にア
プローチはまだ早いと思ってる。男と寝るなんて死んでもヤだ！
フーゴ ： 母親に愛されたと思っているので女性に夢を持っている。紳士として女性
には礼節を持って優しく接するべきと思っている。男性同性愛は自分が対象とされるなら
ドタマかち割ってでも拒否する（した、捏造設定）。５部時点で童貞。
ジョルノ ： 母親のせいで女性不信、冷ややかな蔑視を持っている。そういう意味で
男性にしか心を開かない（いや男にだって開いちゃいないが）のでゲイの素質は一番ある。
ギャングさんやブチャにその趣味があったら一発でそっちへいってた。同性愛行為も多少
は経験ある。女性を抱くのは遊びに加え支配の手段として巧みで、楽しんで行える。
結局一番ヤバイのはジョルノ様ということで。……だからうちのグランドロマン世界観
にあわないから書きたくなかったんだなきっと。
それでも公式発表（ジャンプの質問コーナー）通り、「チームで一番もてるのはおれ
（ぼく）」と思ってる。そこは健全なイタリアーノだから。