ちいさな冒険
その朝（４４）
１
「だからアジトのＴＶでそんなヴィデオ見てんじゃねーよッ！」
今日もアバッキオの怒号が響いている。
「なんで？ ポルノ以外ならいいってねーさんには言われたけど？」
ミスタはにやにや笑ってふてぶてしくアバッキオを見上げた。
ＴＶからは絹を裂くような女の悲鳴が上がっている。
「うわーッ、ミスタ見ろよ、３人目行ったぜ！」
構わず画面に見入っていたナランチャが歓声を上げた。
「おお、ざっくりやられたな」
「やめろーッ！ おまえら、どうかしてるぜ！」
アバッキオは長いプラチナの髪を逆立てて、全身で拒絶反応を示している。
「イヤなら見なきゃいいじゃん」
「なー」
「おれたちちゃんと朝のパトロールは済ませたし」
「自由時間にちょっと楽しい物見てるだけじゃん」
代わる代わるに小憎らしい笑顔を輝かせてナランチャとミスタが言いかえす。
「アバッキオは自分の受け持ちの仕事してろよ」
「まーさーか、怖くてひとりでキッチンに入ってらんねーわけじゃ、ねえよな？」
ミスタが挑発した。折しも、画面には悲鳴を上げる女性が大写しになっている。
「違うッ！」
肩をいからせて大股にアバッキオがキッチンに入っていった。と、その背に悲鳴が突き
刺さる。すぐさま彼は棒立ちになる……。
「怖いんだ？」
「怖いのか？」
すぐさま爆笑が続く。
「違ーうッ！」
振り向いた眼に異形の魔物が入ってアバッキオの顔が凍り付く。もとが端整なだけにそ
のゆがみ具合は絶妙で、ツボに入ってしまった二人は笑いこけた。
その声は、２階のオフィスにまで届いたらしい。
「いったいどんな楽しいヴィデオを上映してるんだ？」
彼らの美しいリーダーが様子を見に下りて来た。
「えー？ Ｂ級スプラッタ」
「きれーなねーちゃんが泣いて叫んで血まみれになる話ー」
純な眼をして二人が答えた。
ブチャラティは、ご機嫌な二人と、涙目で怯える一人を代わる代わる見て、女神の笑顔
で優しく言った。
「ミスタ、今度クサヤに挑戦する気はないか？ 一度食べるとやみつきになるという噂の
ジャポネの珍味だそうだ」
「え？」
「１００年ほどもかけて発酵させたソースにつけ込んだ魚の干物だそうでな。この前の缶
詰に匹敵するぐらいすてきなフレーヴァーだという噂……」
「堪忍してくれよねーさん！」
ミスタがぶるぶると震えながら「気をつけ」した。
「アバッキオをいじめるなと言ったはずだ」
真面目な顔になったブチャラティはリモコンで電源を切ると、身を翻してオフィスに去っ
た。
２
「グリマルディーニからまた面倒を持ち込んできました」
その日、川向こうから帰ってきた参謀が、昼食の席で皆に報告した。
「屋敷町の方に昔から持ってる物件が、わけありで。噂のせいで借り手が付かなくて困っ
てるんで、調査を依頼してきました。スタンドで解決が付くようならお願いしたいと。ま
あ、地盤沈下とか、ちょっとした磁気のせいとか、風向きとかだと思うんですが」
「幽霊屋敷ということか？」
持って回った言い方に、ブチャラティがその意図するところを言い当てた。
「有り体に言えばそうです。誰もいないはずの屋敷から泣き声がする、探検に入った少年
達が、青白い人影を見たとか、そういうの」
すうっと、あからさまにアバッキオが顔色を無くした。もともと白い顔はもう紙のよう
だ。
「行きたい！ 幽霊屋敷！」
ナランチャがもう手を挙げた。
「いやいや、こーゆーわけわかんねー事件はやっぱムーディー・ブルースに出てもらわねー
と。過去を遡って詳しく因果を見てみねーと、やっぱバッボンテキ解決にはならねーよな？
おれ、護衛は引き受けるから。アバッキオさんお願いします！」
ミスタがワルノリして笑った。
いつものとぼけた表情は崩さずに、ブチャラティはアバッキオを見やった。
「ああッ、調査はおれの領分だッ、行けと言われれば行ってやるぜッ」
がたがた震えながらも、アバッキオは胸を反らして言いきった。
「じゃあ今夜にでも」と、あっさり仕事熱心なリーダーは罪作りな笑顔で言う。
「夜？」
「ああ、目撃証言は夜のことが多い。やはり夜に行くべきだろう」
「ブチャラティィィッ！」
涙目になりながらアバッキオは何か言いたげにリーダーを見つめる。
「なにか？」
ブチャラティはいつもと同じとぼけた顔で尋ね返す。
ミスタとナランチャは笑いを堪える顔だ。
「……いや、なんでもねえッ！」
アバッキオは勢いを付けて立ち上がると、空いた皿を持ってキッチンへと動いた。
３
「で、なんでフルメンバーになったのかな？」
夜、くだんの幽霊屋敷の前に集合して、夜目にも輝くいつもの白地のスーツに身を固め
たブチャラティはとぼけた顔で尋ねた。
自分は、一生のお願いと取りすがったアバッキオの付き添いだ。
……あんたの目の前ならみっともねえ真似は絶対しねえ。だからお願いだ、後生だから
付いてきてくれッ！
銃まで腰に吊ってきているアバッキオは、後がない決死の面持ち。いつものロング丈の
ジャケットで、とっさの抜き撃ちができるかどうかは思案の外だ。
「えーッ、ねーさんまで来たら４人になっちまうだろ？ ここは絶対その数字は避けねー
と。てなわけで、参謀殿もお呼びしてみたわけよ。仲間はずれはいけねーよ、なあ？」と、
ミスタがにしゃにしゃ笑った。この男が験を担いで見せたと言うことは、まるっきり根拠
のない幽霊話でもないらしい。
「なんにもないとは思うんですけどね。まあ、一人ぐらい理性的な人間が立ち会った方が
いいかと思いましてね」と、フーゴは迷惑そうだ。
「あ、あァそうだな、フーゴがいりゃあばかばかしいネタに騙されることはねえよな」と、
アバッキオは少し頬を緩めてみせる。
「えー、大勢いた方が楽しーよ。じゃあ、出発！」
ナランチャが明るく声を掛けて、ブチャラティ・チームは幽霊屋敷の探検に出かけた。
グリマルディーニの不動産部門から借り出してきた正規の鍵で門扉を開ける。
玄関までのアプローチは車が２台並べるほどなのに、雑草に埋まってもう道が無くなっ
てしまっている。
「うわーこりゃまた。何年手入れしてねーの？」
ミスタが首をすくめた。
「１年です。日中でもなにかいやな雰囲気がしているものだから、造園業のひとを入れて
も逃げ出してしまって、こんなふうに」
「だが、怪異の噂は屋敷の中だぞ？ どこからか誰かが入っているから噂が広がるんだろ
う？」と、ブチャラティは的確に話の矛盾を突く。
「それは、裏手の通用門の横がいいカンジに崩れてるんです。……見ますか？」と、フー
ゴが案内して右へ折れ、枯れた雑草を膝でかき分けて進んだ。
「ほら」
確かに、煉瓦作りの塀は門柱辺りから崩れ、おとなでも身を竦ませれば通り抜けられる
までに穴が開いてしまっていた。
「やっぱ、これは入ってみたいでしょう！」
ミスタがうきうきと言う。その言葉を裏付けるように、そこからは枯れ草が踏まれ、獣
道ができている。
「まあ、そういうことです。……ぼくらは玄関から入りましょうか」と、フーゴは背をむ
けかけるが、
「いや、目撃証言の通りのルートを行ってみなくては」と、リーダーが遮った。
「こっち、こっち」と、ナランチャがごつい懐中電灯を手に先導する。
「この辺のワルガキどもの話だと、裏のあの崩れ目から入って、こっちがわのテラスのフ
ランス窓のところから入るのが正しいルート取りだって」
「ナランチャ」
アバッキオが溜め息混じりに言う。グリマルディーニのシマを正式に引き継いだのは秋
からだが、もう町の少年達のことは押さえているようだ。
「ナランチャ、それ不法侵入だからね？」
「ギャングが何言ってるんだかー」
フーゴに構わず勝手知ったようにナランチャはテラスを見つけ出してもう階段を２，３
段上った。白いガーデン用の机と椅子のセットがテラスの脇に片付けられている。
秘密基地にしている少年達がいるようだ。サッカーボールや、スケートボードなどが雨
を避けて乱雑に積み重なっている。
「ここまでは安全のようだな」
ブチャラティがそれらに目を留めて言った。
「かもよー」
ほっとしたようにミスタが言った。
「ナランチャ、入る前にレーダーを出してくれ。二酸化炭素の反応はないか？」
「ほいきた。……ないよ。おれたちだけ。幽霊って呼吸しないよな」
「しませんよッ」
「それでこの窓は……？」と、ブチャラティが手をかけると、そのアール・なんとかの美
しい唐草模様は枠だけで、ガラスのすっかり割れてなくなった部分から身をかがめれば皆
かんたんに屋敷の中には入れるのだった。
「雨が吹き込んだら傷むじゃないですか。さっそくガラスを入れさせないと」
フーゴが冷静に問題点をリストアップした。
「こりゃあいい隠れ家だ。悪ガキどもが根城にするには絶好の場所だぜ」
１階部分をだいたい見て回って、幽霊騒ぎは屯している少年達の仕業だとミスタは言い
たげだ。
「そうでしょうね」
カラー・スプレイで思い思いの言葉をラクガキしてみたり、ベッドの脇に漫画本やポル
ノ雑誌を拾い集めて親にとやかく言われない図書館を作ってみたり。
「なんだ、そういうことか。じゃあ、塀を直してあそこの窓にガラスを入れて戸締まりを
すれば片付く話だな」残念だったな、アバッキオ、おまえの勇気を見せてもらなくて、と
付け加えてブチャラティは微笑んで見せた……。
「……ギャァァーッ！」
弾かれたようにアバッキオが声の方を見た。
「２階ですね」
「ないって！ 誰もいねえよ！」
慌ててレーダーを確認してナランチャが言い張る。
「行ってみよう」
「ブチャラティィッ！」
哀願するようなアバッキオの声が続く。
「信頼しているぞ。わたしの背中はおまえに預けた。おまえは絶対信頼を裏切ることはな
い、そうだな？」
振り向いて、真っ直ぐ揺るがない瞳に見据えられて、アバッキオは背筋を伸ばす。
「あァッ！」
「気のせいです。ここは無人。ナランチャのレーダーがそう言ってるんです。立て付けの
悪い扉が風で動いたとか、乾燥しきった梁や棟木がひび割れを起こしたとか、そういうも
のです絶対。野良猫の声かも知れないし」
フーゴが聞かれもしないのに見解を垂れ流している。
「猫の恋の季節には早いぜえ、フーゴ」
笑いながら、ミスタが左右を確かめながら続く。その手にはもう愛用の銃が握られてい
て、ピストルズが油断無く肩に留まっている。
４
こぢんまりとした屋敷だ。２階の階段を上がったところはホールになっている。背の低
いソファーがしつらえられてあって、たぶん、その真向かいはＴＶセット。
「やつら、ここへ来てやばいヴィデオとか見てるんじゃねーの？ まだ生きてそうよ？」
ミスタが頬を無理矢理に緩ませる。
「ありえません。電気の供給は止まってます」
フーゴが切り捨てた。
「なんか、寒くねえ？」
ナランチャが両腕で身体を抱いた。
「そんな薄いカッコしてくるからだ。もう１２月だぜ」と、そう言うアバッキオもしきりに背を揺すっ
ている。
「霊が現れるときも、周辺の気温が急に下がるって聞いたことがありますね」
唐突に、フーゴが非科学的なことを言い出した。
「いろんなことを知ってるな、フーゴは」
ブチャラティは微笑んで見せた。まだまだ余裕の表情だ。
「もーいーだろ？ 次いこーぜ」と、何気なく振り返ったナランチャが顔を強ばらせた。
「そうだな……どうしたナランチャ？」と、それに気づいたアバッキオがナランチャの指
す指の先を見て顔を引きつらせ大きく口を開けた……が、喉が締め付けられるようになっ
て声が出ない！
「なんだよ？」と、振り返ってみたミスタが半べそになった。
「ありゃあ、もしかして……」
ＴＶセットの、３０インチの大画面から、長い黒髪を振り乱した若い女性が身を乗り出
していた！
「サダコだよ！ ねー、あれサダコだよ！ ミスタ！ ねえ、おれ死んじゃうの？ ブチャラティ、
助けてくれよ！」
ナランチャはもうべそをかいている。
アバッキオはまだ声が出ない。喉に手をやって苦しそうだ。
「うわーモノホンのサダコだ。見ちまったよおれ……ねーちょっと彼女、顔見せて？ 美
人ってホント？」と、呆然としつつも女性には声を掛ける天晴れなミスタ。
「どうしたんだ３人とも。ＴＶになんか映ってるのか？」と、ブチャラティは愉快そうに
彼らの顔を代わる代わる覗き込んだ……。
……ブチャラティ！ 後ろ！ 後ろ！
彼らの心の声が届いたのか、無敵のチーム・リーダーは振り向いて、異状のＴＶセット
を真っ向から見つめた……！
微笑みが、凍った。
「ブチャラティ！ 見てくれよ！ アレ！ 見たよな！？」
アバッキオがようやく身体を動かしてその顔を覗き込むと、剛胆なネアポリスの守護女
神は、ただ口を少し開いて無言のまま魂を飛ばしていた。
「フロラーッ！？」
その両肩を掴んで激しく揺すぶる。反応が得られないと見るや、振り返ってナランチャ
にレーダーを検めさせる。
「ナランチャッ！」
「映ってねーよ！ マジ、生き物じゃねーんだよ！」
ナランチャが頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「ピピピピストルズ配置に着けーッ」
ミスタはがくがく震えながらそれでも銃を構えようとするが、
「ヤダヨミスターッ！」
「オッカネエーッ」
「アンナノ攻撃シタラオレタチ呪ワレルゼェーッ！」
肝腎のピストルズが頭を抱えてミスタのニットの懐に逃げ込んでいる。
その間も、黒髪の美少女はＴＶの画面からぞろり、ぞろりと這い出てきている。
顔を、あげた。
黒い瞳が炯々と輝き、口は裂けて邪悪な笑みを浮かべている……。
「フーゴッ！」
頼みの綱の参謀を見やると、想定外の事態に青い目を見開いて、フーゴはなにかをつぶ
やいていた。
「そんな、ばかな。エアロスミスのレーダーに映らないってことは生物じゃないってこと
で、生物じゃないのに動いてるってことは超常の存在ってことで、ああ、じゃあスタンド
みたいなもんか。スタンドならスタンドで倒せる……ってことは、
パープル・ヘイズ！」
彼はそこまで思い至ったところで唐突にスタンドを呼びだした。
「出番だ！ やつを地獄に叩き返……」
「バカ野郎！」
慌ててアバッキオはフーゴの首筋に手刀を叩き込んで意識を失わせた。
「ナランチャ！ エアロスミスで壁をぶち破れ！ 退路の確保！ ミスタはケツを守れ！」
「あ、ああッ。
エアロスミスッ」
パニックになって泣き出していたナランチャはすぐさま両腕を開いてスタンドを呼び出
し、爆撃でホールの壁をぶち抜いた。
「飛び降りるぞ！」
ナランチャを先に行かせて、アバッキオは両腕にブチャラティとフーゴを抱えて壁の穴
から飛び降りた。油断無く銃を構えながら、ミスタが最後に飛び降りる。
「ギャアァァァ！」
悲鳴に送られて、ブチャラティ・チームはアジトに逃げ帰った。
５
恐怖の一夜が明けて、アジトにはいつも通りの朝が戻った……？
「あの屋敷ですが、ヴァチカンから本職を呼んで対応して貰うことにしました」
「へえ」
フーゴは対応が早い。黙ったままのブチャラティの代わりに、アバッキオが返事をした。
「ナランチャはぼくがお昼にまた様子を見に行ってきます」
「熱出たんだってな。なんか果物差し入れてやってくれ」
「ええ」
少し微笑んで、フーゴがキッチンへ去った。
「なあ」
アバッキオが、少し身じろぎをしながら遠慮がちに言った。
「おれ、そろそろ昼の仕込みしないと。なんか温かいもんにしてやるから。な？」
返事はなく、ただぎゅっと腕の力が強くなった。
２階のオフィスではない。
皆の集まるアジトの、１階のソファで、アバッキオの膝に乗ったブチャラティは、朝か
ら首っ玉にかじりついて離れないのだ。
「なあ、ブチャラティ、そろそろフーゴも怒るぜ」
「……構わない」
小さな声で耳に囁いて、ブチャラティはアバッキオにくっついている。
昨夜は意識を取り戻すなりこどものようにむしゃぶりついてきて、あり得ないほどにせ
がんで、ひとときも肌を離すことをいやがって……大変だった。
……そんなに怖かったのか？
とは、さすがに聞かない。
細いウエストに手を回して、アバッキオは、困ったように頭を傾げている。
「いーんじゃね？」
少し離れたところで椅子に馬乗りになっていたミスタが、にかっと笑って見せた。
「いやーおれ当分ブルネットのロングはダメだわ」
しんから恐怖を味わったと言うにしても、この男はからりとしている。
「今日の昼は、なんか取って食ってくれ。おれが持つから」
溜め息を吐いて、アバッキオが言った。
「いーって。おれ、パトロール出てくるわ。外で食ってくる」と、ミスタが出て行った。
「今日だけですからね」
エスプレッソを煎れてきたフーゴが、サイドテーブルに二人分のガトー・ショコラを置
いた。
「はい、いつもの。報告書はぼくが書いておきますから」
そう言って、扉を閉めてオフィスへ上がっていってしまった。
「今日だけだってよ」
アバッキオは、くっついたままのブチャラティの頭を撫でてやって、フォークに手を伸
ばした。
「…………」
いつもは本音とも思えぬ直截な言葉を自在に浴びせかけるブチャラティが、なんとも言
葉を選びかねている。その精神的失調とか、恥ずかしいとか悔しいとか、でもやっぱり怖
かったとか、自分や仲間を助けてくれて嬉しかったとか見直したとかそういう混沌とした
心理状態とか、いろいろを思いやってなんだか自分も胸がいっぱいになって、
「ああ、よしよし」
もう一度、アバッキオは頭を撫でてやった。
（１６−１１−０９）
蛇足。
季が違っているが、仕方ない（パート２）。
なんで晩秋に怪談書くかよ？ 意味不明。思いついちゃったから、ただそれだけ。
怖い話って、よく知らなくて（なんかちゃんと理由があってこれこれこれの呪いですと
なってるものしか読めない）、娘に聞いても、「貞子ー！」って。「貞子ってどんな話？」
「知らなーい」って、おいおい。ちょっとネットで調べてみたけどあんまりどういうのか
解ってなかったかも知れません。貞子って叫ばないんだったらゴメンなさい。
いつもヘタレているアバッキオにたまにカッコイイトコロを見せて欲しかったんですが、
あんまりかっこよくなかったかも。まあ、そこはアバッキオだから。
ミスタさんは、役に立たなかったことを地味に反省してるかも知れません。
ブチャラティは、ホントは自分も怖くってイヤだったのをアバッキオにかこつけてやめ
させたんだったりして。幹部なにげに黒いです。
そして、人智を超えたものにはまったく手も足も出ないフーゴ。彼はこれでいいかなと
思ってます。
別解。
「今日だけだってよ」
アバッキオは、くっついたままのブチャラティの頭を撫でてやって、フォークに手を伸
ばした。
「…………ごろにゃん」
幹部デレる。猫が続いたから最後の最後でやめました。